2020/5/20
世論の力で三権分立の原則を死守!
国会では国家公務員の定年延長を柱とした「国家公務員法」等の改正案が 野党の反対を押し切って審議されました。
この法案には「束ね法案」という形で「検察庁法」の改正案も盛り込まれています。この改正案は非常に問題点が多くあり、立憲民主党は他の野党と協力して、問題点の削除を求めてきました。
枝野代表は11日の衆議院予算委員会で「検察庁法改正は、安倍政権が黒川検事長の定年を違法に延長した、脱法的に延長したことを事後的に正当化しようとするもの。
また、違法があれば総理大臣すら逮捕することができる、その検察庁の幹部人事を内閣が恣意的にコントロールできるという権力分立原則に抵触する大問題。どさくさ紛れに、火事場泥棒のように決めるようなことではない」と強く批判してきました。
また、普段声をあげて来られなかった著名人の方や、身内ともいうべき検察庁OBなど、多くの抗議の意思表明がなされました。
18日、安倍首相は支持率の急落や抗議の世論を受けて、「検察庁法案」を臨時国会へと先送りすると表明しました。まさに世論の力で民主主義を守り切りました。引き続き、廃案に向けて共に頑張りましょう!
【参考】
◇検察庁法改正案の問題点
(問題点1)定年年齢引き上げ、役職定年、役職定年の延長、の3つが混同されている。→野党は定年年齢引き上げや役職定年には賛成している。役職定年の延長のみが問題である。
(問題点2)役職定年の延長を内閣が決定する。→改正案では、次長検事と検事長は63歳になると、65歳の定年まで検事に降格する(役職定年)ことになるが「内閣が定めた事情がある場合」には最長2年間、次長検事や検事長の職に留まることができるようになる。
つまり、内閣の思惑によって次長検事や検事長を勤務延長させることが可能になり、検察官の中立性が保てなくなる。
(問題点3)役職定年の延長の基準が明確ではない。→基準を「法令で定める」のではなく「内閣が定める」としており、基準が明確でなく恣意的な運用をされる恐れがある。
(問題点4)黒川検事長の勤務延長の追認である。→昨年秋に法務省が検討していた案は、定年年齢の引き上げと役職定年だけであったが、今回提出された法案は役職定年の延長が追加された。
また、無理筋な法解釈の変更をわざわざ改正案に書き込むことで、黒川検事長の勤務延長を追認している。
(問題点5)この時期に必要な改正なのか。→そもそも、コロナウイルス対策に全力を傾注するべきこの時期に、日弁連や専門家、与党内からも疑問が示されている役職定年の延長を拙速に決める必要があるのか。